趣味続け隊の部屋

モチベーションに頼らない 趣味を自然と始める「行動のトリガー」設定術

Tags: 習慣化, モチベーション, 継続, 行動トリガー, 実践

趣味を始めるときは意欲に満ち溢れていても、時間の経過とともにモチベーションが下がり、いつの間にか中断してしまうという経験を持つ方は少なくないでしょう。特に「今日は疲れているから」「気分が乗らないから」といった理由で、せっかく始めた趣味から遠ざかってしまうこともあるかもしれません。

継続には、強い意志力だけでは難しい側面があります。そこで今回は、モチベーションに左右されず、まるで自動的に趣味に取り組めるようになる「行動のトリガー」設定についてご紹介します。これは、日々の習慣に小さな仕掛けを組み込むことで、趣味への第一歩を自然に踏み出すための方法です。

「行動のトリガー」とは何か

「行動のトリガー」とは、特定の行動や状況(トリガー)をきっかけとして、次の行動(趣味に取り組むこと)を自然に始める仕組みを指します。例えば、ITシステムにおいて、あるイベントが発生すると事前に設定された処理が自動的に実行されるように、私たちの行動もこの「トリガー」によって、意識することなく次のステップへと進むことができます。

これにより、「やる気が出ない」と感じる日でも、意志の力に頼ることなく、習慣の力で趣味に取り組むことが可能になります。

趣味を自然と始める「行動のトリガー」設定方法

具体的な「行動のトリガー」設定には、以下のステップがあります。

ステップ1: 趣味の活動を小さく分解する

まず、取り組みたい趣味の活動を、可能な限り小さな単位に分解してみましょう。「読書」であれば「1ページ読む」、「プログラミング学習」であれば「開発環境を立ち上げる」、「楽器練習」であれば「スケールを1回だけ弾く」など、ごく短い時間で完了できるレベルにまで細分化します。この「小さすぎる目標」が、始める際の心理的ハードルを大きく下げます。

ステップ2: 既存の習慣を見つける

次に、すでに生活に定着している習慣を探します。「朝食を食べる」「歯を磨く」「コーヒーを淹れる」「仕事から帰宅する」「PCを起動する」など、毎日ほぼ無意識に行っている行動がトリガー候補となります。これらの習慣は、あなたの生活リズムの一部として強固に組み込まれているため、新たな行動を結びつける土台として非常に有効です。

ステップ3: 既存の習慣と趣味の活動を結びつける

見つけた既存の習慣と、ステップ1で細分化した趣味の活動を「〇〇したら、××する」という明確なルールで結びつけます。

このルールを具体的に設定し、日常の行動フローの中に自然に組み込むことで、迷いなく趣味へと移行できるようになります。

ステップ4: 環境を整える

トリガーが発動したときに、すぐに趣味に取り組めるように物理的な環境を整えることも大切です。例えば、本を読み始めるならリビングのテーブルに置いておく、プログラミングならPCを立ち上げたらすぐにIDEが開くように設定しておく、楽器練習ならすぐに手が届く場所に楽器を置いておくなど、行動に移すまでの摩擦をできる限り減らしましょう。

トリガー設定のポイントと事例

趣味続け隊の仲間Aさんの事例

「Aさんは、毎日の運動としてランニングを習慣にしたかったのですが、仕事で疲れて帰ってくると、『明日でいいか』と諦めてしまうことが課題でした。そこでAさんは、『帰宅後、玄関で靴を脱いだら、すぐにランニングウェアに着替える』というトリガーを設定しました。疲れていても、玄関で靴を脱ぐというトリガーをきっかけに、深く考える間もなくランニングウェアに着替える行動に移れるようになり、結果的に週3回のランニングを継続できるようになりました。」

まとめ

趣味の継続は、決して強い意志力や高いモチベーションだけに頼るものではありません。今回ご紹介した「行動のトリガー」を上手に活用することで、やる気の有無に関わらず、趣味を日々の生活の中に自然に組み込み、無理なく継続することが可能になります。

小さな一歩から始め、自分にとって最適なトリガーを見つけることで、あなたも趣味を続けるための自分だけのシステムを構築できるでしょう。継続できた自分を認め、その小さな成功体験を積み重ねていくことが、何よりも大切なことです。